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トータル人事制度の導入(13)

20070919

   

『賃金制度の設計-1』

    

前回の人事制度の導入ステップの現状調査と基本設計のうち、
経営理念の確認・新規作成、経営環境の分析、
人件費の分析、社員モラールサーベイは省略できる。
その代わりに、経営者インタビューにおいて、
人事考課、賃金、退職金の各制度に対する具体的なイメージを確認しておくこと。

    

中小企業へのコンサルティングにおいては、
データの数字を分析するよりも、
経営者のイメージをベースに制度設計案を検討したほうが、
適正なものができやすく、かつ、了承も得やすい。
とはいえ、もちろん、
コンプライアンスを無視したようなコストダウン最優先の要望に応えることはできない。

    

現在の中小企業に相応しい賃金制度として大切なことは、
まず、第一に整合性とオープン性だ。
社長の“カン”だけで運用されてきたような賃金制度から脱却するために、
論理的に整合性のあるルールが必要になる。
単純な形でかまわないので、
人事考課と賃金制度が連動していること。
ただし、社内の既存の秩序や価値観と極端に離れすぎないように注意することも大切だ。

    

また、一昔前のように、
中小企業だからといって封建的な風土の下で我慢する人は少なくなった。
特に若年層では労働者としての権利意識が高まっているので、
制度のオープンな運用が必要になる。

   

次に大切なことは、一定の水準を維持していること。
優秀な人材の入社、勤続を期待する上では、欠かせない条件だ。
地域、業種、規模別のデータを収集し、賃金設計の目安とする。

    

また、賃金制度の趨勢は年功制、および定期昇給の廃止であるが、
中小企業においては、
一定の年功制、および定期昇給を維持することが依然として有効である。
社員の担当業務に明確なすみわけがなく、
小人数間での協力や連係が必要となる中小企業では、
家族的風土に根ざした職場環境作りが望ましく、
その適性のある人の長期在職を促すために、
無闇に実力主義・業績主義を導入するのではなく、
ある程度、年齢や勤続年数を評価する制度にするべきである。
加えて、ポスト不足に対応するためにも年功制、および定期昇給が有効である。

   
ただし、給与原資の一方的な上昇を防ぐために、
業績を反映して賃金額のコントロールができるようにしておくべきである。

   
さらに、矛盾するようであるが、
ある程度の成果主義的な評価制度を導入し、
若年層にとっても貢献度に応じた報償が発生する部分も必要である。
年功制でこう着した制度では、若年層へのアピールに欠け、
定着を妨げてしまう。
   

これらの相対する要素を解決する構造を持つ賃金制度を、
次回より考えてみる。

   

◆賃金設計の基本ポイント
1・整合性とオープン性を備えていること
2・適正な水準であること
3・一定の年功制と定期昇給を備えていること
4・一定の成果主義を備えていること
5・業績に応じた賃金総額のコントロールができること

   

以下、次号。
(『猫について』は、12月再開予定です。)

     

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