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就業規則作成・改訂のポイント(2)

20080304

   

前回掲示した5つのポイントについて、
解説いたします。

   

就業規則作成・改訂のポイントの1.は、
「最新の法改正等を反映しているかどうか」
これは、
専門家としては当然のことで、
管轄の官公署のホームページやパンフレットを参照すれば、
法改正の情報とともに、
就業規則の記載例まで教えてくれるので、
さほど、
難しいことではありません。

   

ここで注意しなければならないのは、
改訂する場合に、
既存のものがあまり古くないからといって、
チェックの手を抜かないこと。
既存のものが、
その当時の最新の法律に準拠しているとはかぎらないからです。
5年前に改訂しているからといって、
7年前の法改正事項はチェックしなくてよいということではありません。
ともかく、
コツコツとすべての条文をチェックすることが必要です。

   
現在(平成20年3月)、
特に必要があるチェックポイントは、
以下の5項目です。

   

1・入社時の提出書類で本籍地がわかるものを提出させてはいけない。
これは、
厚労省より通達が出ているので、
戸籍謄本、抄本等を提出させるルールを設けている場合は、
変更して、
住民票記載事項証明書とします。

   

2・有給休暇の日数、および比例付与
有給休暇の日数は、
平成13年4月に改正されています。
ところが、
日数についてはその会社独自のルールを設定して、
就業規則に記載している会社も少なくないので要注意。
入社時にいきなり何日か付与する、
中途入社者には基準日を設けて繰り上げるなど、
労働者に有利な計算をしてくれるのであれば問題ないのですが、
法律を下回る水準であれば、
当然改訂します。
また、
フルタイム勤務以外の労働者にも、
労働時間に応じた日数の有給休暇を与えなければならない(比例付与)ので、
その規定も必要になります。

   

3・育児・介護休業法
平成3年に制定された法律で、
平成17年4月に改正されています。
したがって、
昭和時代の就業規則には、
もちろん、
ありません。
改正は日数や申出に関するルールが変更になったり、
努力義務が義務化されたりと、
どこがどう変わったから、
この部分を修正してなどとやっていると、
間違いを起こしやすい。
条文まるごと、
もしくは、
自分で作成したひな形の規定を丸ごと取り替えてしまったほうが安全でしょう。
厚労省の見本に関連書籍のひな形などで肉付けをしてから、
文章をわかりやすく書き換えてみるという作業をすると、
自分の頭にも入るので勉強になるし、
クライアントへの説明もスムースにできます。

    

4・性別による賃金や職種の区別があってはいけない。
賃金規定に、
男女によって違う賃金表を掲載している例が、
依然として見受けられます。
(30年前から就業規則を改訂していなければ、
依然としてもないものだが)
男女というくくりだけで賃金を分けていたら、
これはあきらかに法律違反。
ちなみに、
労働基準法の第4条違反で、
労働基準法は制定されてから、
もう60年以上経過しています。
また、
社員募集の際に事務職(女性のみ)などと記述したり、
社内で人事異動の希望を募る際に、
営業部(男性のみ)などの制限をしてもいけません。
これらは、
男女雇用機会均等法(昭和61年施行、平成11年・19年改正法施行)によって、
規定されています。

   
なお、
賃金だけでなく、
採用から配置から昇進から教育から定年退職まで、
ともかく、
会社内の処遇すべてに渡って性別による差別があってはいけません。
もちろん、
男性だからとしての差別もいけません。
もし、
社内公募制で受付嬢(名称が差別?)の募集があれば、
当然、
男性からの応募も受け付けなければなりません。
ちょっと腑に落ちないルールとも言えますが、
過去、
女性が受けてきた差別の大きさを考えると、
致し方ないのかなという感じです。
しかし、
育児休業が男性でも取れることなどは、
きっと、
今後ワークライフバランスという日本社会のキーワードの重要性が増すうえで、
大切な意味を持つようになるでしょう。

   

5・定年と継続雇用。
高齢者雇用安定法(平成18年4月改正法施行)により、
定年年齢を60歳以上とすること、
および65歳までの雇用の確保が義務付けられました。

   
その方法として、
1)65歳までの定年の引上げ
2)継続雇用制度の導入
3)定年の定めの廃止
の3つがありますが、
実態としては、
ほとんどの企業が継続雇用制度を選択しているようです。

   
継続雇用になる場合は、
いったん60歳の定年を適用し退職扱いとして、
その後、継続雇用の契約を結びます。
全員を65歳まで雇用するという恵まれたケースもありますが、
多くの企業では、
労使協定によって対象者の基準を定め、
法定の年齢までの1年ごとの契約とする形態が多いようです。

   
労使協定の基準については、
厚労省から目安が発表されていますので、
難しいものではありませんが、
書面を作成する以上は、
社労士の稼ぎのネタになります。
有料にしなくても、
就業規則に付随するサービスですと、
クライアントに恩を売ることも可能です。

   

再雇用者の賃金設計を検討する場合は、
雇用保険と厚生年金との併給についての知識も必要になります。
一時期、
この金額の計算が社労士の大きなビジネスチャンスのように言われていましたが、
すぐにニーズがしぼんでしまいました。
理由として考えられるのは、
制度導入直後は、
再雇用者の実収入が極端に減らないような賃金設計を検討した会社側も、
継続雇用が一気に普及した結果、
一人一人の事情にまで配慮してくれる余裕がなくなったということでしょう。

   

その結果、
60歳到達時の賃金に比べて、
継続雇用の賃金は30~40%程度という条件も珍しくなくなりました。
雇用があるだけましなのか、
制度の隙間をついたグレーゾーンなのか、
判断に悩むところです。

  

ともかく、
就業規則上は規定が合法的であり、
そのルールどおりに運用されていれば問題ありません。

   
以下、次号。
(猫については、引っ越しました。
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